アナログ人間の私は、今まで書く事はもちろん、見ることもなく生きてきましたので、ご指名を受けた時は、頭の中まっ白状態でした。数日前に「依頼があったら、次の日から来ませんから」と豪語(?)し、周りから小学生だと言われる始末でしたが、奇しくも、それが現実となってしまいました。ご指名を受けたと知った、その日の夜中に、愛犬のポチが天国へと旅立ってしまったからです。
ブログにはその事を書くつもりでしたが、ポチとの今までを、回想し文字にすることでグリーフケアに繋げさせて頂こうと思います。
「連れてきても飼えないですよ!」と言い放っていた私でしたが、ポチの職場での生活が長くなると、離れなれなくなり、里親を探さなければならなくなった時点で、家に連れて帰ることにしました。
保護したと言っても、野犬である親兄弟から引き離し一緒に遊びたくても遊べない、随分淋しい思いをさせてしまっていると常に感じていました。
ですので、絶対に淋しい思いはさせないよう、大切に育てていこうと、決意して家族として迎え入れました。元気いっぱい大きく育ち、散歩では、いつもひきづられ、友人から「散歩してもらっちょるね」と、よく笑われていましたが、後年になり大病を患ってから、ようやく歩みがそろってきました。2018年12月に肝臓ガンで腫瘍の摘出手術をし、危ぶまれていた麻酔からも目覚めてくれました。
その都度、獣医さんはじめ動物病院のスタッフさんに助けられ、またポチ自身の生命力により、担当医からも「ポチちゃん、すごいね~!」と驚かれるほどに回復してくれました。でも、今回ばかりは覚悟を持って臨まなければなりませんでした。天寿を全うする時期でした。
最後の日、ポチは私の帰りを待っていてくれました。帰りだけでなく、仕事から帰り、眠気で朦朧としていた私は、ポチに挨拶をし、ごはんを食べると、動きが取れない程で、崩れる様にして眠ってしまいました。2時間くらいし目覚め、おしもやじょくそうの処置をしてあげている最中、ポチの体の中で、何かが、変わりました。ググっと何かが押し上げてきました。すぐ傍に行くと、大きく息をつき、目の光が変わりました。
病気など大変な状態になる時は、決まって私が、休みだったり、病院に付き添える日でした。今回も「病気で苦しい中ではなく、天寿を全うする自然の流れの中で最後は傍についていて看取りたい」という私の願いを叶えてゆっくりとお別れができる時を作ってくれました。今回は休みの日ではありませんでしたが、状況を聞き、快く休むことを受け入れてくださる上司や職場の環境がありました。それまでも、仕事も大変な中にあるにも関わらず、介護で出勤時間が遅くなってしまうことも、私の気持ちを理解してくださり、許してくださいました。
ある書に「すべてのことは定まった時期があり、天の下のすべての営みに時がある。」「すべて時にかなって美しい。」と書かれていました。ポチとの思い出の数々を思い巡らすと、本当にそうだと思います。
そして、ポチとの生活を支えて下さった方々、全てに感謝します。感謝の気持ちを忘れずに、今まで受けた皆さんの優しさを、これからの仕事でご恩返ししていきたいと思います。
つたない文章を読んで下さり有難うございました。
よろこび 蔵澄