瀬戸内牡蠣3大産地に工場長が訪問して知った3つのこと

工場長が瀬戸内かき3大産地を訪問!

いつも弊社かき製品をご購入いただきましてありがとうございます。

工場長の荒木です。

 

今回は瀬戸内の有名産地、広島、兵庫県(相生)、岡山(邑久町)のかき産地を訪問しましたのでその様子をお届けします。

 

広島では大雨のためこの様に雨合羽&ライフジャケット着用でかきいかだまで行く船へ乗船。

(何だか嬉しそうな顔してますね)それでは早速行ってみましょう。

広島県 かき筏(いかだ)です。

船全体の写真を取り忘れてしまいました。

ということで、いきなりかき筏に到着です。

実際は港から20分ほど海上を船で進みいかだに着きます。

風雨に耐えるために、いかだを修繕しながら使用しており漁師さんの努力が垣間見えます。

かきに対する愛情が見えますね。

いかだの上にあるフロート(浮き)は、1つで1tの重量を支えることができるそうです。

いかだの上に乗せているのは、修繕用で普段はいかだの下にあり支えています。

 

ちなみに、いかだが若干沈んでいる場所と浮いている場所が写真にも有ると思いますが、違いは分かりますでしょうか?

かきの収穫前の場所は重いので沈んでいて、収穫済みの場所は軽く少し浮いた状態になっています。

さて、ここで広島かきの豆知識クイズです。

 

このいかだにある広島かきを吊るしているワイヤーは何m(メートル)あると思いますか?どのくらいの長さのワイヤーが付けられているのでしょうね。気になります。

  1. 5m
  2. 20m
  3. 50m

考えても分からないという方のために、ワイヤーを吊るすクレーンの写真をヒントにお考えいただきましょう。

 

防府が生んだ柔道家であるO部長と比較してみます。

う~ん。いまいち良く分からない。

結構長そうですね。皆さん分かりますか?

全体の長さが分かる写真がこちら。

クレーンが写真に入り切らなそうでした。

左下には採れたての超フレッシュなかきの山があります。

 

 

「正解は20m」です。

 

 

一般的なマンションでは、住宅基準階1層あたりの階高は大体3mなので、

6~7階相当の長さのワイヤーがついていることになります。

東京『ダイバーシティ東京 プラザ』の実物大ユニコーンガンダム立像が高さ19.7m。エジプトギザの大スフィンクスが全高20m、山陰海岸ジオパークの京丹後を代表する「立岩」も高さが20m。

皆様イメージできましたでしょうか?

漁師さんの育て方により違う好みのかきとは?

漁師さんは育て方の方針がそれぞれで違います。

沢山の牡蠣を作りたい。大きい牡蠣を育てたい。

良いかきを育てたいという思いは皆様同じようですが方針が違うようです。

広島など瀬戸内のかきは写真にあるコレクターと呼ばれる

ホタテの殻を何枚も吊るしたワイヤーなどで種かきを取ります。

かきは泳げないため、産卵の時期に潮の流れに身を任せ漂っていきます。

広島、岡山などはかきが流れ着く場所を把握しており

このコレクターをかき溜まりの場所に準備しておき、種かきがコレクターに

付着するのを待ちます。

濃い(沢山かきが付いている)、薄い(ほどほどにかきが付いている)など

前述の理由により漁師さんそれぞれで選んでいます。

つまり、ざっくり言うと沢山のかきを育てたい人は濃いものを、大きいかきを育てたい人は薄いものを購入するようです。

港には生まれたてのかきがびっしり付いたコレクターを運ぶ船もいました。

この後トラックで陸上輸送され、各漁師さんの元へ送られます。

ホタテ貝にびっしりついている黒っぽいのが種かきです。

白いホタテの殻が黒くなるほど付くんです。

遠くからでもかなりの数がついているのが分かります。

兵庫県 昼食はやはりコレ!

ランチは当然かきです。食べ放題です。

今回は(株)竹内水産直営「焼き牡蠣大豊」さんです。

平日昼にも関わらず多くの来客があり、かきはやはり人気なのだと

感じました。

何とおかわり自由です。飽きるまでかきを食べることが出来ます。

もちろん、飽きても食べ続けることも出来ます。

皆さんは何個食べられるでしょうか?

私たちは、写真にあるかきを3名で全部食べました。10個以上食べたでしょうか。

平らな面を下にして焼き、少し口が空いたらひっくり返します。

水分が多いため沸騰した牡蠣のエキスは超熱々なので火傷に注意して下さい。

殻が弾けることもあり、かき小屋のHPには、自己責任でとありますので、小さいお子様は特にかきがらの破片には気をつけて下さい。

ちなみに弊社社長はかきに好かれているため、牡蠣の高温の汁や牡蠣殻の破片をかなり浴びていましたが平気そうでした。流石です。

兵庫の穏やかな海へ

本日は晴天に恵まれましたので、穏やかな兵庫の海でかき筏見学に臨めそうです。

何と海の上でも大サービス!

採れたてのカキをその場でむいていただきました。その場で生かきを実食。

 

生かきも楽しめるなんて最高じゃないですか。この仕事をしていなければ体験できない新鮮そのもののかき。

やはり塩が濃い。海を食べている様な感じといえば良いでしょうか。

新鮮で美味しい。兵庫の牡蠣の特徴は1年で大きく育つ1年牡蠣。

潮の巡り、海域の豊かさ。自然の為せる技。長年の漁師さんたちの努力。

海上で食べるかきには何か壮大なものを感じました。

兵庫の海域を守る取り組み

兵庫のかきは、1年で大きくなるから身が柔らかい特徴があります。

兵庫の海は海水の質、水温、海流がかきの育ちにいい影響が有るようです。

逆に大きくなりすぎることから蒸し牡蠣なども有名です。

 

シーズン終了後には、海底を底引き清掃を行っており

牡蠣殻や漁具などの回収をしているそうです。

海を汚さない、守る取り組みには弊社も共感いたします。

 

 

兵庫県の牡蠣筏は、広島のようなワイヤーではなく、紐を使用しています。

紐にホタテ殻を差し込んで養殖します。

広島はホタテの中心に穴を開けて、ワイヤーを通しています。

ちなみに、長さは6m。広島よりも短いのは水深の違い。

今回訪問した牡蠣筏のあった場所の水深は8mでした。

 

岡山県(邑久町)のかき

弊社でも過去営業部所属で通販担当として楽天通販の邑久かきの3Lサイズを販売させていただいたこともあり思い入れのある産地の一つです。

今は収穫量も減少しており、他社への販売を優先しているため楽天の通信販売は行っておりませんが、自社サイトにてかき、牡蠣加工品などを販売しています。

ぜひ、ご購入をお願いします。

 

 

訪問当日は、ほぼ牡蠣の収穫も終了している時期でしたので

海に出ることはありませんでしたが、高台より島のこちら側と向こう側に牡蠣筏が集まっている所を見せていただきました。

種かきを採集している所で、邑久町漁協では1,300台の筏があるそうです。

1人22台までの所有が認められており、所属している漁師さんは60名。

年間4,000~5,000tのかきを生産しています。

岡山ブルーライン「道の駅」

黒井山グリーンパーク漁協直売所

邑久町漁協組合長様より1時間の講義を受けさせていただきました。

弊社も取り組みに参加をさせていただいているMSC認証を取得している牡蠣の産地としても有名です。

マルト水産は2019年12月13日、瀬戸内海のカキ漁業で

MSC認証(垂下式の牡蠣生産では世界初)を取得しました。

弊社では、マルト水産の「かきの天ぷら」の一部製品で協力させていただいております。

 

邑久町漁協の取り組みは、MSCで認証取得しているだけあって先駆的。

若手漁業者を中心に、30件の記録生産者が取り組みを行っており

ゴーストギア対策(「ゴーストギア」は、放棄、逸失、もしくは投棄されて、海に流出した漁網などの漁具のこと。)で自主的な清掃をしており、定性調査を年に3回(5箇所)を行います。22年は6月に行う予定とのこと。

ゴーストギア対策では、豆管(まめくだ)コレクターの間に挟む管を海岸清掃で集め、2tロングのトラック4台分を回収するなど取り組みを積極的に行っています。

素晴らしい取り組みをしている邑久町のかきですが

取り組みについてこちらのページより確認出来ます。

 

3産地ともに最新の取組を改めて確認することが出来ました。

それぞれに共通するのは、かきへの愛情、想い。

良いかきを生産しようとする気持ちは皆同じだと感じました。

持続可能な水産業を行うための一助に弊社もなれるよう、安心安全な製品を供給し続けられるよう取り組んでまいります。

また、世界へ向けての製品の販売も引き続き拡大させておりますので、興味の有る輸出関係者の皆様のご連絡をお待ちしております。

株式会社カン喜 工場長 荒木