桜 2023

カン喜グループ世界中のファンの皆様へ

いつも大変お世話になっております。 新年度につき本年度も倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

また、当グループは今年創業50年を迎えます。これも偏にファンの皆様のお力強いご支援、従業員一同の頑張りがあってこそ、この場をお借りして深く感謝申し上げます。ありがとうございました。そして、引き続きよろしくお願い致します。

私が株式会社カン喜の経営を引き継いだのが2011年卯年です。丁度干支が一回りしました。当時は東日本大震災により日本全体が混沌とした状態にありました。

あれから早12年、会社の歴史からすれば、全然短い期間ではありますが、振り返れば多くの貴重な体験をさせて頂きました。当時9歳と7歳だった二人の娘はもう大学生になりました。

代表者となって一年後に第二次安倍政権が誕生、日銀総裁には先週退任した黒田氏が就きました。ここから空前の金融緩和、所謂アベノミクスがスタートします。

その時まで入社以来13年間、金融機関より“借りてください”というセリフを聞いたことがない(その逆の言葉は数えきれないくらい浴びせられてました)私にとって青天霹靂、突如メイン取引行が切り替わり、成長への資金調達が可能となったのです。

この出来事は当社財務の改善を後押ししました。新規顧客、マーケットの獲得に資する設備、環境改善投資も出来ました。食品安全マネジメントに関わる国際認証も取得できました。そして、少子高齢化による日本市場の縮小も見据え海外への進出も果たしました。今では海外向け売上は全社売上の約2割を占めるまでに至りました。

確かにその間も多くの失敗を重ねましたが、幸い致命的なものとはならず、逆にそれは厳しい環境下生き抜く上で必要な知識、知恵をもたらせてくれたと思っています。

最近では創業者の夢の一つであった当グループに勤務する障がい者の方のグループホームも完成しました。傘下のNPO法人は就労支援施設として、障がい者雇用の継続を立派に果たしております。

当然ではありますが、これらの実現には全て当グループのスタッフの力添えを抜きにして語ることは出来ません。残念ながら、その中には既に鬼籍に入られた方、退職された方もいらっしゃいます。我々は彼らが遺してくれた資産を大事に引き継いでいかなければなりません。

賛否両論ありながらも、アベノミクスと黒田バズーカ砲のお陰でそこそこ順調なフライトをしてきましたが、ここ数年間は新型コロナウィルス、エネルギー・ 物価高騰、特に原料調達難(温暖化による育成不良と慢性的な人手不足)等過去の経験値では推し量ることの出来ない事象に直面しております。

公器として、社会に貢献し続ける企業として生存していくには、この苦境を切り抜けねばならない。今こそ“結果”を求められるのだと感じております。

儚さがだけが桜の代名詞ではない

ところで、この桜は下の娘が誕生した際、近所のホームセンターで苗木を買ったものです。これは当時、出張が多く時間をあまり共有できない二人の子供の成長を投影させるものとして購入しました。

 

桜は最初、猫の額くらいの広さの家の庭に植えのですが、みるみるうちに大きく、枝がどんどん伸びてこのままでは近隣に迷惑が掛かることになりかねないと思い、惜しむ惜しむ切除を検討していたところ、親切なシルバー人材センターの方がご自身の川べりの土地に移植してくださるとの由。当然その話に甘えることにしました。

春夏秋冬季節を問わず、週末自宅にいる時はこの桜が植えてある川べりをジョギングします。短い春が過ぎ、葉桜となり、夏秋を経て枯れ枝になり、また春が来ると満開の花を咲かせ通り行く人の目を和ませる。今年も数日前の激しい風雨を得ても多くの花を残すこの姿にそれを感じているのか。“結果”を出してます。この季節、この花をみると“もう少し頑張ってみるか”と力が湧いてくるのです。

創業50周年だからと言って、華美なパーティー、イベントは致しません。業績回復という“結果”でお見せしたいと思います。

関連イベントは100周年記念で。後進には彼らの後を引継ぐ者に行うようお願いしておきます。

あらためて、本年度もよろしくお願いいたします。

 

令和5年4月吉日 株式会社 カン喜 上坂 陽太郎