“地球沸騰化に想う牡蠣殻への更なる執着”

全国のカン喜ファンの皆様、暑中お見舞い申し上げます。お盆明け時節柄、残暑見舞いなのでしょうが、“ザンショ感ゼロ”なので、もう一ヶ月はこの激暑が続くのではなかろうかと思いショチュウ見舞いと致します。

 Global Boiling

国連トップのアントニオ・グテーレスさんが先立ってこう仰いました。もはや“地球温暖化”は終わった(ええ、もう終わったのか?皆何もしていないのに)。代わりに“地球沸騰化”が始まった(ですよねえ)。

産業革命以前より2030年までに世界の気温上昇を1.5度以内に抑えるどころではなく、感覚的にはここ数年で毎年1℃くらい上昇しているのではと思ってしまいます。ハワイの大干ばつによる山火事然り、某所の永久凍土融解、地中海リゾート地で45℃…最近タイが避暑地として注目を集めているとか!一年の平均気温30℃もあるタイが!

山火事に関しては北米でも頻発しており、これには温暖化に加えて元来、乾燥少湿な現地特有の気候が影響していると思われます。日本は多湿ゆえ山火事リスクは比較的高くはなさそうです。

とにかく、世界の今年7月気温は観測史上最高、12万年ぶりの暑さとの由(観測史上最高の意味がわかりました)その損失額は屋外への労働減、熱によるストレス他農作物、生物、人工物への影響、デング熱など感染症の増加等を考慮、2030年の損失額は350兆円に達するとの由。これは日本のGDP(国内総生産)の約70%に相当する金額です。

この暑さは人の体調のみならず、工場設備へも少なからず影響を与えます。何故ならば、大半の機械製造設備の設計時前提条件を超える暑さだからです。この状況下、2050年に温暖化ガス排出ネットゼロの実現は本当に可能なのでしょうか?

Never surrender

あきらめてはいけません。個人、企業、国レベルでの脱酸素への取り組みを止めてはならない。歩みを止めれば、それこそ“地球炎上”が早まってしまいます。

昨今、個人レベルでマイバックの使用を推奨など環境への配慮が草の根で浸透していますが、当社も事業活動を行う上で可能な限り、環境に配慮して事業を行っております。

その取り組みを反映したものが当社の冷凍グラタンシリーズです。当ウェブサイトでもご覧頂けますが、かき・ほたて・かにグラタンの個食用容器はプラスチック化学製品を一切使用せず、それぞれ本物の殻を使用しています。

えらそうに物言わせてもらえば、この殻の調達には少々ノウハウが必要なのです。ここでは、その調達量が最大である牡蠣グラタンに使わる牡蠣殻につき、一部をお話させて頂きます。

 

From where procuring oyster shells

約四半期世紀前に誕生した”牡蠣グラタン“は当初年間数千個からの生産に始まり、ここ数年は200-250万個/年で推移しております。

“調理中、牡蠣殻が剝がれたらどうするんだ?異物混入クレームリスクが高いのでは?”等…その黎明期は偏見が多く販売に苦戦しましたが、今では多くのご愛顧を頂き、当時とは比べ物にならない売上を頂いております。しかし、受注数量が増えれば同時に殻の調達難という問題にも直面することになったのです。

2015年頃までは日本国内(主に三重県鳥羽志摩、香川県さぬき)からの調達で何とか満たせてきたのですが、以降は少子高齢化による牡蠣養殖業の働き手の不足、温暖化(ここでもか!)による牡蠣自体の育成不良により生産数量が不足、海外から殻を輸入せざるを得なくなったのです。勿論当時は伝手もなく、一からの調達先の開拓となったのですが、ここではその辺りは触れず…現在はサイズ選別、形状調整、洗浄など細やかな対応をして頂けるベトナム・ハイフォン港からの輸入に一本化しております。

産地のリサーチから始まり、現地業者との契約後は牡蠣殻の品質管理に関わる指導等、25余年に亘り蓄積されたノウハウ実績はある意味“参入障壁”でもあります。

牡蠣殻を食材の容器として使うということは、自然に優しいのみならず、製品化までの過程において多くの雇用を創出するのです。今後も製品を通じて、環境社会に貢献し続ける企業であり続けます。

 

株式会社 カン喜 上坂 陽太郎