全国のカン喜ファンの皆様、令和6年あけましておめでとうございます。この新年三箇日で我々が目の当たりにしたことを考えれば、いつものこの挨拶は不適切かもしれません。
また、新年初メッセージのタイトルとしての“理不尽~”くだりについてもお許しください。
二度の世界大戦以降“平和と水はタダ”と感じてきた多くの日本人にとって、二年前から続くウクライナでの戦争、昨年後半に勃発したパレスチナ・ガザでの紛争、そして元旦の大震災は、(病気を除き)自分の寿命が尽きる前の“死”は決して縁遠いものではなく、身近なものなのだと再考させたのではと思います。SNSでリアルタイム発信される情報(多くのフェイクもありますが)効果も大きいでしょう。
予測不能な突然の災害、戦禍、事故による落命は想定外であり、当に理不尽です。しかしながら、最悪の結果に至らぬよう、その場を何とかして乗り切る気概を失くしてはならないと思います。
好例の一つが1/2に起こった日航機と海上保安庁機の接触による炎上からの日航機乗員全員の脱出劇です。自身の生命も脅かされているにも関わらず、冷静に日頃の防災訓練の如く(当然マニュアルに従順のみではなく、臨機応変に対応したのでしょう)、乗客全員を無事避難させた日航機の乗組員は世界中からの称賛を受けるのに相応しいものでした。
実は我が社も半年に一回、全社防災訓練を行っております。都度、火災、水災、地震など災害を設定、災害発生から避難完了まで毎回シナリオを作り、それに沿ってドリルしており、最後は近隣の消防署より担当者を招いて講評も頂きます。幸いながら未だ実践した経験はありませんが、本番さながら毎回ド真剣に行っております。訓練をド真剣におこなうからこそ、実践で活かされるのであると考えます。
私自身も昨年居住区のコミュニティで行われた地域防災訓練に参加、マンホールトレイなるものを組み立て、設置を行いました。これは東日本大震災、熊本大地震でも活躍した優れものです。
仕組みはいたってシンプル。広域避難場所(例. 小中学校)の敷地内に敷設された下水道に繋がる配管の上に設置されたマンホールの蓋を外し、その上に簡易トイレを設置するものです。
配管の中に落とされた排泄物は配管の始点より水を流せば、本管の下水道まで流されていくという?あれ?始点から水を流す?どうやって?
訓練時は消防車の消火用ホースからの放水でしたが、起こって欲しくはないが本番は水をどこから引っ張ってくるのか?
報道に依れば、能登被災地はトレイが機能しない状態で衛生的にも大きな問題になっているとのこと。 現地避難所にはマンホールトイレはあるのだろう。しかし、元から流す水がない。地震で水道インフラも損壊を受けているのは明らかである。ここでは生命をつなぐ飲み水は使えない…
マンホールトイレの水源は河川、井戸水、海水とすべく平常時にコネクションしておく必要があると感じました。インフラの修繕と共にもっと、ここへ予算を割り振るべきところでしょう。
被災地の方々の一刻も早い復興を祈るとともに、これからの一年、それを構成する貴重な一日一日をしっかり生きることを嚙みしめていきたいと思う年頭であります。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
2024年1月9日
上坂 陽太郎