筋トレしてバルクアップするためには、必要な栄養素があります。
「何をどれくらい食べればいいのか?」というのはよくある観点ですね。
ただ、それと合わせて、翌日も筋トレしやすくなるために「疲労回復できる」という観点も重要であると考えます。
バルクアップするに、
それら2つの観点からバルクアップに必要な6つの栄養素と必要な摂取量を順番にご紹介していきます!
人の体の筋肉や骨、臓器、皮膚、爪などの主成分はたんぱく質です。
筋肉は水分を除くと約80%がたんぱく質からできています。
また、血液中のヘモグロビンや神経伝達物質もたんぱく質からできています。
体の材料にもなり、生命活動も担っているたんぱく質はバルクアップする人にはもちろん、一般の方にとっても欠かせない栄養素です。
ボディビルダーやトレーニング指導で有名な山本義徳さんによると、1日あたり最低でも2g/体重1kgが必要です。
筋肥大の効果を最大にするには、2.8g/体重1㎏が必要です。
それ以上たんぱく質を多く摂取しても、効果はあまり変わらず、エネルギーとして消費されたり、体脂肪の増加にもつながります。また肝臓・腎臓の負担が増える可能性もあります。
1日あたりたんぱく質2g/体重1kgを基準にすると、体重70㎏の人はたんぱく質が140g必要となります。
を一日に食べると合計146.2gのたんぱく質が摂取できます。
これに、ご飯を食べ、他の食材も食べるので、それ以上のたんぱく質が摂取できます。
糖質は摂取してから最も早くエネルギーに変わる即効性のある栄養素です。
体を動かすエネルギーとして必要だということは当たり前ですが、体内に蓄積することができる量が約400gと少量なため、運動前・運動中・運動後に補充することが重要です。
私たちの体は、エネルギーを運動で使用し、貯蔵しているグリコーゲンが少なくなると、筋肉を分解しエネルギーを産出しようとします。
そのため、糖質の摂取が十分でないと、いくらバルクアップしても、筋肉がつかない、ということがあります。
体たんぱく質の分解を抑えるために、糖質をしっかりと摂取する必要があります。
1日に体重1㎏あたり7g以上の糖質を摂取することが推奨されています。
体重70㎏の人は490g以上の糖質が必要となります。
ご飯一杯160gの糖質は58.9gなので、一日3食ご飯を2杯食べると、353.4gとなります。
おにぎり一個の糖質が約30gとすると、間食や夜食に合計5個食べれば490gをクリアです。
パスタ100gあたり72gの糖質が含まれていますので、おおよそご飯200gと同じ糖質が含まれています。
その他、バナナや野菜ジュース・パン・お餅など、手軽に摂取できるものも利用しましょう。もちろん肉類にも糖質は含まれています。
ビタミンB群は、糖質、脂質、たんぱく質からのエネルギー代謝過程に欠かせない補酵素として作用します。
主に、糖質の代謝を補うビタミンB1、脂質の代謝を補うビタミンB2、たんぱく質の代謝を補うビタミンB6があります。
糖質や脂質をしっかり摂取してもビタミンB群が足りないとエネルギーが生成されないため、ビタミンB群をバランスよく摂取することが非常に重要な意味を持ちます。
バルクアップのために摂取エネルギーが増えている場合、その分、ビタミンの必要量も増えます。
エネルギー必要量に+500kcalしている場合、割合で1.2倍増えていることになりますので、ビタミンも1.2~1.5倍の摂取を目安にしましょう。
ビタミンB群をはじめとする水溶性ビタミンの多くは、摂取量が多くても体外に排出されます。
中には上限量が設定されている場合がありますので、サプリメントなど併用する場合は注意が必要です。
ビタミンB1は豚肉に多く、豚ひれ肉には1.32㎎、豚もも肉には0.96㎎含まれます。その他、玄米0.16㎎や絹ごし豆腐0.1㎎、まだい0.32㎎、まぐろ赤身0.1㎎にも含まれます。
ビタミンB2はうなぎ0.74㎎、さわら0.35㎎、牛乳0.15㎎、納豆0.56㎎、ほうれん草0.2㎎が含まれます。魚や乳製品、緑黄色野菜に多く含まれます。
ビタミンB6はかつお0.85㎎、まぐろ赤身0.76㎎、鮭0.64㎎、豚ひれ肉0.54㎎、鶏ささみ0.6㎎、バナナ0.38㎎、さつま芋0.26㎎、玄米0.2㎎が含まれます。脂身が少ない赤身の魚や肉類に多く含まれます。
バルクアップにはミネラルが重要ですが、その中でも亜鉛が重要と考えます。
亜鉛は細胞の材料として必要になるため、代謝の量が増えると必要量が増加します。体内に亜鉛をしっかりと貯蔵していると、傷ついた筋組織の修復および新陳代謝がスムーズに進みます。
亜鉛不足は、免疫力を低下させるため、体調不良につながる可能性もあります。
日本人の食事摂取基準(2015年版)より成人男性の推奨量は10gとなっていますが、耐容上限量が設定されており、40-45gとなっています。
バルクアップで多くの亜鉛が必要となるので、推奨量より多い10g以上摂取したいところですが、40gは超えないようにしましょう。
牛モモ肉4.4㎎、牡蠣13.2g、ほたて2.2g、高野豆腐5.2gの亜鉛が含まれています(すべて食材100gあたり)。
ビタミンAは亜鉛の吸収を高めてくれるので、レバーや、ほうれん草、人参などと一緒に食べましょう。
反対に、加工食品やアルコールは亜鉛の吸収を妨げるので気を付けましょう。
糖質として摂取すると、消化・吸収しグリコーゲンとなり、エネルギーとして利用されます。
しかし、食物からグリコーゲンとして摂取できると、エネルギーとして利用されるまでの時間が短縮され、利用効率が良くなります。
トレーニング後の栄養補給が間に合わないと、せっかくバルクアップしても、筋肉が分解されエネルギーとなってしまうため、素早く栄養補給することが望ましいため、グリコーゲンの摂取はおすすめです。
グリコーゲンはウニや牡蠣、ほたてなどの貝類、レバーに含まれています。グリコーゲンとしての必要量は明確ではありませんが、糖質の一種なので、前述した糖質の量をしっかりと摂取しましょう。
糖質をしっかりと摂取することで、体内でグリコーゲンとして蓄積されるため、前述の糖質の必要量を守りましょう。
タウリンはアミノ酸の一種で、胆汁の生成や神経系の伝達、浸透圧の調整などの役割があります。
注目するタウリンの効果は疲労回復です。
よく栄養ドリンクに配合されていますが、直接、体力を回復してくれるという意味ではなく、筋肉の疲労や摩耗の原因となる老廃物の除去を助け、筋肉細胞へのダメージや酸化ストレスを軽減する効果があるそうです。
正確な摂取の必要量が分かっているわけではありませんが、500-2000mg/日程度の摂取が目安です。
食材100g中に含まれるタウリンの含有量は
となっています。
タウリンは水溶性なので、スープごと食べられるお鍋や、汁物料理がおすすめです。
では、これらをバルクアップ食材を取り入れた、レシピをご紹介します。
バルクアップのための食事は、筋トレ同様、かなりハードな食事内容となります。
いきなり食事内容を増やしてもなかなか食べきれず、胃に負担をかけてしまう場合があるので、徐々に食事量を増やしていきましょう。
また、食事は一日3食、と思われがちですが、トレーニング時には一日3-5食と食事の回数を増やすと摂取しやすくなります。
おやつとしての間食ではなく、3食+補食と考えてください。食事もトレーニングの一環と捉えて、日々の積み重ねを心掛けましょう。